こんにちは。
純炭社長@夏季休暇中もブログ更新中です。
さて、今日の話題は腸内環境。
これまでのブログで腸内細菌は肥満や糖尿病、自己免疫疾患、ストレス耐性など
様々な病気や体質と関係があることを書いてきました。
人間の赤ちゃんはお母さんのお腹の中では無菌状態で成長します。
この時期、腸内細菌は棲んでいません。
おぎゃーと生まれた瞬間から腸の中に細菌が棲みつきますが、
どのような菌がどうやって赤ちゃんの腸内に定着するのか?
母親の食事や母乳はどう影響するのか?
良く分かっていないのが実情です。
これまでの研究は糞食の習性があるマウスで行われているものばかりですが、
ネイチャー誌にニホンザルでの研究結果が報告されました。
Nature Communications 5, Article number: 3889(2014)
ニホンザルの生態はヒトと良く似ています。
妊娠中の母サルに高脂肪食と低脂肪食を与え、妊娠時と授乳時の母親の食事内容が子供の腸内細菌に影響を及ぼすか?を検討しました。
その結果、母親の食事内容は子供の腸内細菌に大きな影響を与え、
出生時に出来上がった腸内細菌フローラは安定的に維持され、
離乳後の低脂肪食や普通食を食べさせても部分的にしか変化しないことが示されました。
この研究によって、
ヒトでも妊娠から授乳期までの母親の食事が腸内細菌フローラを介して
子供の体質に影響を与える可能性が示唆されました。
今回の研究では脂肪の多少による影響を見ていますが、
ヒトの場合には糖質や加工食品、添加物など様々な物質が関わってきます。
近い将来、「赤ちゃんの腸内細菌を健やかに保つための妊娠食」なんてメニューも登場しそうですね。