本日(2012年11月7日)のNHK番組”あさイチ”で糖化物質(AGEs)の専門家である久留米大学の山岸先生が出演されていました。
最近話題の「糖化」。しかし、金沢が糖化研究のメッカであることは業界人の中でもあまり知られていません。
山岸先生は金沢大学医学部出身。
山岸先生の師匠に当たる金沢大学医学部の山本博教授はAGEsの受容体”RAGE”をクローニングした方。
そして、誰も糖化を話題にもしなかったころから、”Toxic AGEs病因説”を提唱し、
AGEsの毒性を啓蒙し続けてきた竹内正義先生(金沢医科大学教授)を忘れてはいけません。
抗糖化素材としてのダイエタリーカーボン「純炭」が金沢から生まれたのは偶然ではないのです。
と、話題は脱線しましたが、
生活習慣病が医療費を押し上げる中で塩分の摂取目安(男性10 g未満、女性8 g未満)は示されていますが、砂糖の1日摂取量は提唱されていません。
米国では2009年にAHA(American Heart Association:米国心臓協会)が男性150 kcal以下、女性100 kcal以下という基準値を発表しています。
砂糖のカロリーは約3.5 kcal/gなので、男性は砂糖42 g以下、女性は28 g以下に相当します。
横浜市衛生研究所の調査によると100%果汁のフルーツジュース100ミリリットル中には14 g前後の糖質が含まれています。
ということは?
コップ一杯(200ミリリットル)のジュースを飲んだだけで女性の一日分の糖分を摂取してしまうことになります。
上記の数値はアメリカ人の基準値をもとにした計算ですが、
体表面積で比較すると日本人はアメリカ人の83%程度。
この値で換算した砂糖の1日摂取基準は
男性:35 g以下(100%果汁ジュース250ミリリットル以下)
女性:23 g以下(100%果汁ジュース164ミリリットル以下)
ということになります。
”糖質”摂り過ぎていませんか?
健康に良いと思って毎日果汁100%のジュースを飲んでいたのにショックです。
教えて下さってありがとうございました。
砂糖とか糖分、糖質と書かれていますが同じもの?
Akikomamaさん、返信が遅くなって申し訳ありませんでした。
あさイチでも取り上げられていましたが巷では”糖質ゼロ”とか”糖類ゼロ”と表示された商品が出回っていて消費者が混乱しているようです。
コメント欄では図が表示できないので、新しい記事として返信したいと思います。
今しばらくお待ちください。
ブログ読みました。
丁寧なご説明ありがとうございます。
妊娠7ヶ月の妊婦です。
生まれてくる子供の食生活には注意したいと思いました。
AGEは赤ちゃんにも影響があるのでしょうか?
質問ばかりですみません。
Akikomamaさま
糖尿病妊娠では流産が多いようです。
岡山大学の研究ではAGEが妊娠維持に必要なhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を抑制し、胎盤の絨毛細胞死(アポトーシス)を誘発することが報告されています。
また、ウィメンズクリニックの神野正雄先生によると、
不妊症の患者さんは糖尿病の傾向が強く、経口血糖降下薬の投与で体外受精の成功確率が高まるとのことです。
以上の結果から、少なくともAGEは妊娠初期に悪さをすると考えられます。
Akikomamaさんは7ヶ月とのことですので、あまり心配なさらない方がよいと思います。
但し、体重の増えすぎを予防する意味では糖質に注意したほうが良さそうですね。