食べる純炭きよら通信vol.30(2021.12月号)
いつも食べる純炭きよらをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。きよら通信担当のゆっきーが、腎臓病お役立ち情報をお届けします(^^)/
腎臓病の人が注意したい市販の風邪薬

しっかり手洗い・マスク・うがいで昨シーズンはインフルエンザや風邪が激減しましたが、今年はその反動が心配されていますね。
ちょっと風邪っぽいかな?というときに頼りになるのが風邪薬!今月号は、腎機能に不安がある人が市販の風邪薬を飲むときの注意点をまとめました。
腎機能を落としてしまう成分の物をうっかり飲まないように注意してくださいね。
腎機能を低下させる解熱鎮痛成分に要注意

風邪薬に含まれる解熱鎮痛成分で、非ステロイド性抗炎症薬(通称:エヌセイズ)という種類のものは、腎機能を落とす原因となります。市販薬に入っている主なエヌセイズの成分名は…
市販の風邪薬で避けたい成分
サリチル酸系 |
アスピリン・サリチルアミド・エテンザミド |
プロピオン系 |
イブプロフェン・ロキソプロフェン |
ピリン系 |
IPA(イソプロピルアンチピリン) |

市販の風邪薬の買い方

専門知識のないゆっきーは、薬の成分表を見ても「腎臓病に危ない成分はコレだな…」とは、なかなか判断できません。
風邪薬を買うときは『解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンだけの薬が欲しい』と、腎臓に不安がある旨をふまえて、症状にあったものを薬剤師さんに選んでもらいましょう。

市販の風邪薬Q&A
Q.値段が高い方が効く? |
A.値段は効果に比例しません。価格より配合してある成分で選びましょう。 |
Q.市販薬を飲まない方が良い人は? |
A治療中の症状があり、他の薬を服薬中でしたら、薬剤師さんに相談してくださいね。 |
Q.漢方薬の風邪薬は腎臓に優しい? |
A.総合感冒薬より眠気が少ない事もありますが、体質によって効果に差があるので、漢方に詳しい薬剤師さんに相談を。 |
Q.水やぬるま湯で飲むべきなのはなぜ? |
A.ジュースの酸や、コーヒー・お茶のカフェインやタンニン、牛乳のカルシウム等、飲み物の成分で薬の吸収や効果が変化する場合があります。 また、少量の水で服薬すると、薬が食道や胃にへばりついて潰瘍を作ったり、溶けきれずに効果が発揮されないこともあるので、必ずコップ1杯程度の水で飲みましょう。 |
Q. 抗生物質は風邪に効く? |
A.ペニシリンなどの抗生物質は細菌を殺す薬ですが風邪の原因であるウイルスを殺すことはできないので、飲んでも効果はありません。 |
他にもある腎機能を落とす薬

前述のエヌセイズ以外にも、腎機能を落としてしまう薬があります。
それらにより腎機能が低下してしまう事を“薬剤性腎障害”と言います。代表的な薬は、抗生物質や造影剤ですが、これらは病院で医師の管理下の元、デメリットを説明した上で使用されるものです。
(飲んだ場合、飲まなかった場合、両方の説明をきちんと説明してくれると良い先生ですね)ですので、知らずに飲んで腎機能が落ちてしまった!という事はあまりない薬です。そんな腎障害もあるのだなと、頭の片隅に覚えておいてくださいね。参考文献:日本臨床内科医師会資料
痛み止めを飲んでいる人は

日本人の3人に1人は慢性頭痛に悩む頭痛持ちだそうです。
しかし、病院で頭痛の治療を受けているのは1割足らずで、残りは市販の痛み止めで対処(55%)、何もしないで我慢(35%)との事。
10~20代で発症することの多い偏頭痛の緩和にエヌセイズの入った市販の痛み止めを長年飲み続けていたら、知らぬ間に腎機能が落ちていたという話もあるので心配です。
頭痛持ちに朗報の新薬

腎臓病の新薬“フォシーガ”が承認されたように、偏頭痛発作の発症抑制を適応症として3種類の抗体医薬が2021年に相次いで承認されました。この薬は、疲労やストレスにより発生する頭痛の原因物質の作用をブロックする働きがあります。
腎機能が低下していても、高齢者でも安心して使え、月に1回の注射で頭痛の悩みから解放されたら素晴らしいですよね。
現在は頭痛専門医でないと処方できないという縛りがありますが、偏頭痛でお悩みの方はぜひ専門医に相談してみてください。
変形性関節症の疼痛など、頭痛以外でも新しいアプローチの新薬開発がすすんでいるので、腎臓の不安を気にせず痛みを解消できる日はそう遠くないかも知れません。
うるおいをキープした冬を過ごそう
1日1Lの水分が蒸発

冬は汗をかく夏場以上に水分補給が必要です。尿や便など自覚できる水分から約1,5L失い、それ以外に1Lもの水分が皮膚や呼気から蒸発していきます。冬こそこまめに1~1.5Lは水分補給を行いましょう。
カサカサ肌も脱水のサイン

冬場は空気が乾燥しているのに加え、エアコンを付けた部屋だと更に乾燥が進みます。乾燥している分だけ体からは余計に水分が蒸発してしまい「隠れ脱水」状態になっているかも?
最適な湿度は40~60%の間なのですが、40%を下回るとウイルスが活発化しやすい環境になる上、鼻やのどの粘膜が乾燥して感染への抵抗力が弱まります。加湿器など上手に使って、乾燥から体を守ってくださいね。
(2021.12月号として配布したものです)
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