こんにちは。純炭社長の樋口です。
今日のブログは、書こうか書くまいか…ずっと迷っていた腎移植の話題です。
目次
なぜ、腎移植の話題を書くことにしたか
2020年6月25日に配信されたyomiDr.(ヨミドクター)の記事に、『誰も腎移植の存在を教えてくれなかったので、腎臓が悪くなったら透析をするしかないかないと信じて疑わなかった。』という文章を見つけたからなのです。
【参考】生きるには「透析しかない」と思い込んでいた私 患者が治療法を選べる情報提供を-ヨミドクター(読売新聞)
現役世代や子育て世代であればなおのこと
どうしても透析は回避したい!
透析が始まってしまったけれど抜け出したい!
と願う方が大半だと思います。現役世代や子育て世代であればなおのことその想いは強いでしょう。唯一その願いをかなえてくれるのが腎移植です。
移植はハードルが高い?
でも、「臓器移植って遺伝子型が一致した脳死状態の患者さんが現れないとできないから何年も待たないとダメなんでしょ」って思っていませんか?
ところが、純炭粉末公式専門店のお客様の中には「身内に腎臓を提供する予定なので、出来るだけ良い状態を保っておきたい」という方もいるのです。
2つあるからこそ・・・
幸いなことに腎臓は左右に2個存在し、腎機能が正常であれば片方を摘出しても支障なく生活できるのです。
移植を受ける側は、一生免疫抑制剤を飲み続けなくてはならないという制約はあるものの、遺伝子型が全く異なる腎臓の移植を受けて、透析から離脱することができます。
上記のヨミドクター記事では、子供のころにIgA腎症を患い、シャント(血液透析をするための血液回路)も作って透析導入直前だった女性が、『私は本当にこのままでいいのか?と自問自答を繰り返した』末に、移植反対派の病院から転院して、ご主人の腎臓を移植してもらったというエピソードが紹介されていました。
何歳まで腎臓を提供できる?(2022年追記)
臓器提供者が少ない日本では、年齢が80歳以下でeGFRが70以上であれば腎臓を提供することができるそうです(高血圧や糖尿病の持病の有無で判断される場合もあるようです)。
腎臓をもらう側も提供する側7も、腎臓が片方だけになった場合の腎機能が気になりますよね。移植直後は(2個ある腎臓が1個になったので)eGFRは半分に低下しますが、その後は残った腎臓が頑張って働くので6割くらいに戻ることが多いとのこと。しかし、加齢に伴う腎機能低下は避けることが難しく、諸外国の大規模試験では10~20年後に透析などの末期腎不全になるリスクが健常人の7.9倍というデータもあります。
【参考】片腎患者の腎機能-若井幸子(東京都保険医療公社大久保病院副院長)ドクターサロン65巻8月号
他にもこんな方法も
血縁や夫婦の間で行われる生体腎移植は増えつつあるようですが、もう一つの方法として「修復腎移植(病気腎移植)」があります。
修復腎移植とは、腎臓がんで摘出された腎臓からがん組織を切除したのち、移植を希望する腎不全患者に「修復された腎臓」を移植するという方法で、2018年に先進医療に指定されました。
だがしかし移植に否定的な医療機関も
世界トップクラスの透析医療を受けられる日本では、生体腎移植や修復腎移植に否定的な医療機関もあるようです。ここが患者の悩みどころ。
2020年6月16日のメディカルトリビューン記事によると、『透析導入患者の21%が(透析導入を)「後悔」しており、特に医師や家族を安心させようとして透析を選択した患者は、後悔している割合が高かった。』とのことです。
自分はどう生きたいか?
『透析導入患者の21%が(透析導入を)「後悔」しており、特に医師や家族を安心させようとして透析を選択した患者は、後悔している割合が高かった。』という調査結結果は、移植が一般的なアメリカでの話ですが、洋の東西を問わず「自分はどう生きたいか?」を患者自身が自問自答して、悔いのない人生を選択することが大切だと思うのです。
「私の(僕の)腎臓を使って」と言ってもらえる夫婦関係って素敵ですよね。そのために努力しなくっちゃ…と思う今日この頃です。
ちなみに、夫婦間移植を行う場合、結婚年数が長いこと、奥さんがドナーの場合は今後の出産希望がないこと、両家の了解が得られていることなど条件もありますが、1つの選択肢として知っておいてくださいね。
最近では60代や70代の夫婦間移植も珍しくないようです。